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ゲーム制作者は「軸」を自覚しておくと防御力が上がる話

 

コラム

「日々つよつよゲーム制作者の豪華進捗スクショが流れてくるTL、眩しいッ……」
「交流上手なあの人の周りはいつも盛り上がっているッ……」
主にこのSNS主流な創作時代に翻弄されている方向け、今日からちょっとだけメンタル防御力が上がるコラムです。

自分のゲーム制作における「軸」=「活動の中で何を重視しているのか」を自覚しておくと、心のおまもりにもなるよ、という話を個人の視点から書きます。

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◆目次
1.「軸」=「自分の創作活動において特に大事なもの」
2.「軸」を自覚するとメンタル防御力がちょっと上がる
3.「軸」の具体例
4.「軸」は変わってもいい
5.自分以外もまたそれぞれの「軸」がある
6.おわりに

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◆◆1.「軸」≒「自分の創作活動において特に大事なもの」

「軸」と書くとほんのり意識高く感じる方もいるかもしれませんが、つまり「自分の創作活動において特に大事なもの、優先度が高いもの」です。
場合によって「目的」や「方向性」とも置き換えられます。

例えば
「創る過程そのものを楽しみたい!」
「自分のヘキを世に知らしめたい!」
「DL数モリモリで有名になりたい!」
「ゲ制作者さんとたくさん交流したい!」
などなど……。

ここで即座にご自身の「軸」が頭に浮かんだ方、素敵です。しっかり握り締めておきましょう。
そうでない方も、後ほどいくつか具体例を挙げていますので、考えたり見直すきっかけになればと思います。


◆◆2.「軸」を自覚するとメンタル防御力がちょっと上がる

では、この「軸」を自覚する利点は何かというと、冒頭の通り、このSNS主流な創作時代においてメンタル防御力がちょっと上がります。

創作活動とSNSが密に絡むこの時代、SNSを開けば熱のこもった作品で溢れています。
ゲ制界隈においては、毎日とんでもねえクオリティのゲーム画面の動画やスクショが流れてきます。有志の企画で賑わいを見せることもしばしば。

それらの多くは創作モチベを上げてくれるものですが、自身の置かれている状況によっては、そうならないこともあるかと思います。
あれもこれも羨ましくなったり、作れていない自分に焦ったり、勝手に孤独な気持ちになったり……ソースは昔の筆者……。
つまりはSNSあるある、いつの間にか誰かと自分を比べて勝手にもやもやするアレ。

そこで予め「創作活動で優先度の高いもの」が自分の中で整理されていると、ふと比較する瞬間があっても、ある程度割り切りやすくなります。
行動の取捨選択に根拠があるので、漠然とした焦燥に駆られた時も冷静に原因分析できます。
もちろん効果に個人差はあると思いますが、筆者はこれでメンタル管理がしやすくなりました。
「あれもこれもやってるものの、なんか不安……」という方は、一考の価値ありです。

・【利点①】行動指針を決めやすい
取捨選択の「取」のほう。
例えば「沢山の人にDLされたい!」を重視する場合、近年は作品の品質以外の「+α」の要素が必須の認識です。
SNSのタグを積極的に活用して広報したり、作品のテーマに流行要素を組み込んだり、ゲ制界隈の外へアプローチする方法を考えたり……という行動指針が見えてきます。
他にも「ゲ制作者さんと交流したい!」であれば、受け身ではなく、自分から積極的に他の作者さんのゲームの感想を発信する……などの方法が候補に挙がります。

・【利点②】選ばないことを割り切れる
取捨選択の「捨」のほう。
あれもこれも羨ましい時、冷静に考えると「自分が意図的に選ばなかったこと」まで羨ましくなっていることがあったりします。
「別に交流を重視していないのに、自分以外でわいわいしてると寂しくなること」だったり、たまに見る例だと、「フリゲで公開しているけど収益を気にしてしまうこと」だったり。

「いやいや羨ましいものは羨ましいじゃん、宝くじ買ってなくても1億円当てた人が羨ましくなるじゃん……」となる気持ちもわかります。
わかる……わかるのですが、元々真剣に向き合うつもりのないことで気を揉むのは時間も気力も勿体ないので、さくっと切り替えられるようになるのが吉です。
その際に「軸」があると「まあ自分にはもっと大事なことがあるし……」と火消しがしやすくなります。

念のため補足すると、合理的でも抵抗のあることは無理にやらなくてもいいし、「軸」と離れたことでもやりたいものはどんどんやっていいと思います。特に前者、義務感を持った瞬間しんどくなりますし。
「軸」は行動を制限するものではなく、あくまで迷った時や不安な時に指針を示すおまもりのようなもの、というのが筆者の主張です。


◆◆3.「軸」の具体例

ゲ制における「軸」は本当に人それぞれですが、ここではざっくり【過程重視】と【成果重視】で分類します。
過程と成果の区切りを「ゲームの完成・公開」に置く場合、「軸」の例は下記の通り。
(※どちらにも当てはまるものもありますが、あくまでざっくりです)

【過程重視】
・創作過程そのものを楽しみたい
・自分の中にあるよくわからんなにかを出力したい
・様々な技術に触れたい
・スキルアップしたい
・クリエイター仲間やファンとの交流を楽しみたい

【成果重視】
・自分にとって最高の作品を作り上げたい
・自分の性癖を世に知らしめたい
・コンテストで賞を取りたい
・DL数/知名度を上げたい
・感想/FA/実況をたくさんもらいたい
・収益上げたい
・有名プラットフォームで公開したい

上記は一例ですが、おそらく多くの方は重視したいものが複数あるのではないでしょうか。
「軸」は一つに絞らなければならないということはなく、「自分はどうなりたいか?」を自分の中で整理できていることが大事なのかなと思います。

といえど、時間も身体も有限なので「取捨選択とかヤダヤダ全部欲しいんだよ全部」という欲張りさんは優先度を決めましょう。


◆◆4.「軸」は変わってもいい

ここまで「軸」の自覚の大切さを説いてきましたが、この「軸」は途中で変わっても全然OKだと思います。
軸なのに????その軸フニャフニャすぎんか???と怒られそうですが、「方向性の見直し」と言い換えると伝わりやすいでしょうか。

筆者の経験上、創作活動における価値観は時間や環境の変化などで、知らずうちに変わっている場合があります。

繰り返しになりますが、「軸」は自分が決めたルールに固執して活動を制限するためのものではなく、あくまで迷った時の指針であり、おまもりです。
自分で決めた活動方針にしんどさを感じたら、見直す機会を作ってあげるのがよいかと思われます。


◆◆5.自分以外もまたそれぞれの「軸」がある

ここまでは自分の「軸」の話でしたが、当然自分以外の人たちにもそれぞれ「軸」があります。
人によって優先度は異なり、そして時間とともに変わることもあります。
少し前まで意気投合していたけれど、いつの間にか疎遠になっていた……ということも儘あるのがインターネット。
それぞれに自分の生活があり、創作活動にどう重きを置くかも人それぞれです。
「軸」が異なる人がいても、それはあなたのことを否定しているのではなく、ただ選んだものが違うというだけのこと。

価値観は人それぞれ、というのはわざわざ語らずとも当たり前のことではあるのですが、自分のことばかりに意識が向いている時は案外見落としがちだったり……経験則です。

方向性の異なる人を忌避するのではなく、世界の広さとして楽しめるようになったら、あなたの創作活動はさらに深みを増すかもしれません。知らんけど。


◆◆6.おわりに

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
薄々読み取った方もいらっしゃるかもしれませんが、筆者自身が経験し、悩み、色々試行した末でこれを書き綴りました。
ゲーム制作は楽しいけれど、楽しいことだけではなく……似たような悩みを持ったことがある方が少しでも気楽になれば幸いです。

この記事を読んだ方が今後も自分らしく、自分にとって大事なことと共に創作活動を楽しめたら嬉しく思います。

 

(茶川あくた Twitter

 

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