コラム
あなたには、伝えたい想いはありますか?
あるところに、ゲーム制作を思いついたツクラー初心者がいました。
それは、あるゲームの二次創作で、知り合い全てをRPGで再現したいと思ってました。
その初心者は、一生懸命作りました。
その日はメインとなる町制作を…
その次の日は攻略するダンジョン制作を…
そして、さらに次の日はプレイヤーとなるキャラクターを作り始めました。
それはそれは、楽しい日々でした…日を追うごとに自分なりの世界が出来ていくのです。
そして、さらなる自分なりの世界を求めて制作に没頭するのです。
町の制作を、更なる機能の追加を、ダンジョンの追加を、キャラクターの追加を…
しかし、ある日その初心者は制作をしなくなりました。
確かに制作は面白いし、世界を作っていくのは楽しい…でも、作っても作っても何かが足りない。
じゃあ、何が足りなかったのか。
「そのRPGを通じて何かを伝えたい」という気持ちがなかったのです。
どんなにかっこいいキャラを作っても、かっこいい技を作っても、かっこいい展開を作っても、伝えたい何かがなければ、ただそれだけ。
いつしか、その初心者は制作をやめていました…作品は未完成のまま終わったのです。
さて、ここまでのお話は…実は私の経験談です!え、わかるって?
いいじゃないですか、そうやってカッコよく語りたいことだってあるのです!なんてね。
さて、私がどうしてこれを例として挙げたかですが…
「夜の孤児院とふたりのマホウ」長編で、同様の問題に直面したからです。
イラスト、ドット絵…最高の仲間から預かった素材は最高なのに、肝心の伝えたい事が不足してしまっている。これではだめだ!
リーフやフレンの良さを、そして彼女たちを支える町の人たちの想いをプレイヤーの皆さんに伝えることができない!最高の仲間が、一生懸命作った努力を無駄にしてしまう。
そこで私は、「作品を通じて伝えたい事」に特化した短編を作ることにしました。
それが、「フラワーリースとふたりのマホウ」と「闇の教団とふたりのキズナ」です。
このふたつを実際に制作し、世に出して分かったことがあります。
それは……
『伝えたい事が明確なら、プレイヤーさんは様々な解釈で読み取ってくれる』という事です。
好意的な解釈もあるし、否定的な解釈もあると思います。
でも、それは全てそのゲームをしっかりプレイしてくれたからこそ出来る事です。
それは、頂いた感想が次の制作に繋がっていく『成功』なんだと私は思います。
そして、もう一つ。
最新作『星の記憶とふたりのキセキ』に至るまでのふたマホのベースになっているのは、あの未完成のまま終わった作品あってこそ、だという事です。
『諦めない限り、失敗は確実に成功の元になる』のです。
ゲーム制作に必要なものは、このふたつだけで良いのです。
想いを込めた作品には、必ずプレイヤーの誰かの目につき、そして広めてくれると信じています。
さあ、ゲームを作りましょう!最近のツクールにはキャラクタージェネレーターもあるのです。
あなたのゲームに必要なのは…長編ですか?短編ですか?必要な素材は何ですか?
失敗したっていいじゃないですか!まずはトライしてみましょう!
あなたの作りたい世界観を想像しましょう!
キャラクターを想像しましょう!
そのキャラクターだけの物語を想像しましょう!
プレイ時間10分でも良いのです。どんな不器用なシナリオでも良いのです!
いつか、完成した物語を私に見せてください。楽しみにしてます!
あっ、そうでした!
その前に、この質問をもう一度させてください。
あなたには、伝えたい想いはありますか?
その想いが、いつか作品をプレイする人に届くことを、私は願っています。
(猫山鳥 Twitter)