コラム
そうだ、ゲームを作ろう。
ある日突然思い立った私は、友人とゲーム制作を始めることにした。
ジャンルはアドベンチャー!
雰囲気がよくて、すごい展開もりだくさんの探索ゲームが作りたい!
あれ……?
すごい展開……
……シナリオどうしよう!?!?
そもそも、シナリオって何だ?
小説とは、違う……よな?
これが、数か月前の私です。
この状態から悪戦苦闘しながらアドベンチャーゲームを完成させたシナリオ初心者が、
自身の反省も含め、やってみたからこそわかったことをまとめてみました!
【①PLAYERは文字を読まない!】
1番目から何を言い出すかと、お思いでしょうが、
多くのPLAYERがテキストの半分しか読んでいません。
これは、いろいろな人にテストプレイをしてもらえば、すぐにわかります。
みなさんは、小説をよく読みますか?
ノベルゲームが大好き?
このコラムを読むのなんか、屁でもない?
でも、ゲームをPLAYする人、みんながそうではありません。
PLAYERは早くマップを冒険したくてウズウズしているのです!
シナリオを書くときは、常にこのことを意識しなければなりません。
PLAYERを引き付ける展開をバランスよく散りばめるなどの、
ストーリーに飽きさせない工夫が大切です。
長すぎる説明やセリフはなるべく避けたほうがいいですが、
印象に残したい事柄は強調したり、繰り返し書いた方がいいでしょう。
また、みんなが大好きな伏線はしつこく張らないと気づかれないし、回収するときは、伏線を思い出させるテキストや映像が必要です。
【②PLAYERの「目の動き」を意識する!】
PLAYERに気持ちよくストーリーを楽しんでもらうためには、
内容だけでなく、それを出すタイミングも重要です。
今、マップやキャラクターを見てほしい時間なのか、文字を見てほしい時間なのか、はっきりさせておいたほうがよいでしょう。
逆に、ホラーなどの場合、文字に注目させておいて、イラストを予想外のタイミングでだせば、驚かせる効果が狙えるかもしれません。
実際にテキストを打ち込む際は、何度もテストプレイして、文字が出るタイミングを調整しなければなりません。
テンポよく物語を進めたい場合は一行を少し長くして、次々と文字を表示させるなどの工夫ができます。
緊張のシーン、感動のシーンなどでは、ウェイトをかけたり、クリックを何度も要求して、PLAYERが感傷に浸る時間をいやというほどとってやりましょう。
もちろん、BGMとのタイミングも細かく調整して、雰囲気を高めましょう。
【③設定は綿密に!】
あたりまえですが、シナリオには、ゲームの舞台や登場人物の「設定」が必要です。
実際には登場させない部分まで、設定を作りこまなければなりません。
なぜなら、シナリオ以外のマップやイラスト、イベント、ギミックなど、全ての部分において、世界観を統一して、矛盾が生まれないようにしなければならないからです。
ネットで検索すれば、創作物の舞台設定や、キャラクター設定のシートのようなものがたくさん出てくるので、活用してみるといいかもしれません。
自分の頭の中で世界を創るのはすごく楽しいですし、深い設定があるにこしたことはないので、作りこんでみるといいでしょう。
【④PLAYERと主人公の関係】
ゲームのPLAYERと主人公は不思議な関係です。
PLAYER自身が主人公のゲームを除いて、別に主人公がいる場合は、
PLAYERは主人公を思いのままに操作して、すっかり感情移入しますが、主人公のすべてを知っているわけではありません。
PLAYERと主人公の距離はなるべく意識したほうがいいでしょう。
例えば探索中のセリフひとつとっても、表現にいくつかの方法があります。
探索中に花を見つけたとき、
主人公「このお花、きれいだなあ」
と表示する方法と、
きれいな花が飾られている。
と表示する方法があります。
作品の世界観や、ゲームのシステム、主人公の特徴に合わせて、PLAYERと主人公の距離を選んだほうがいいと思います。
いわゆる名作とよばれるフリーゲームには、このPLAYERと主人公の関係を利用したトリックを取り入れたものがいくつもありますね。
また、物語に多くの登場人物が登場する場合、主人公の影が薄くなってしまうことがあります。
主人公の魅力が伝わるようなイベントも大切かもしれません。
【⑤ゲームをPLAYしてもらうってすごいこと!】
ここまで、シナリオの内容についてはあまり触れてきませんでしたが、
これには理由があります。
私には、わからないからです!!!!!
元も子もないことをぬかしていますが、
どんな内容のシナリオがいいのか、それは人それぞれです。
私からいえることは、
書きたいことを書こう!
ということです。
PLAYERがゲームをしている間、その脳内のほとんどがゲーム制作者が作った世界でいっぱいになります。
これは、本当にすごいことです。
普段の生活では、何分間も他人の思考を釘づけにすることなんて、そうそうできるもんじゃありません。
こんな絶好のチャンスを逃す手はありません。
表現したいこと、伝えたいことを思う存分書きましょう。
私は自分の書いたシナリオで、
少しでも楽しい気持ちになってくれる人がいることを信じています!
【おわりに】
私は、今回アドベンチャーゲームのシナリオを書いてみて
以上のようなことを感じました。
これからも他の方のゲームも楽しみながら、
少しずつ成長していこうと思っています。
拙い文章ですが、読んでいただきありがとうございました。
最後に、
こんなことを考えながら、私がシナリオを書いた
新月から満月の夜まで不思議な村を探索する和風ADV『ツキガミノムラ』
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第六回新人フリコン参加中です!
ぜひプレイしてみてください!!!
にどふり シナリオ担当あじかる
(にどふり Twitter)