コラム
RPGやSRPGにおいて、極めて比率の難しい設定に「難易度」があります。
この難易度の設定にお困りの製作者様は多いでしょう。
この難易度でいいのか自信が持てない、自分が遊んでもつまらない難易度を世に出して楽しんでもらえるのか……。
安心してください。あなたの考えた難易度が「最高」です。
難易度に関する悩みが生まれてしまうのは、客層、ゲーム数の飽和、製作者の経験値など求められる条項が非常に複雑になっているからです。
昔、テレビゲームの黎明期では、ほとんどのユーザーがクリアできない「怒っているゲーム」が発売されていました。
この怒っているゲームが製作されてしまう経緯は、製作者がそのゲームに対して経験値が高すぎる(=上手すぎる)が故に起きてしまった事例です。
広く頒布する有料ゲーム(App内課金含む)でこのような難易度を出してしまうと、蔑称で罵られるならまだしも、現代では即座にシャットダウンされてしまいます。
しかしながら、前述の通り現在はゲーム数が飽和しており、プレイヤー様にも豊富な選択肢が用意されています。
つまり実際に遊んでみて難易度の合う合わないをプレイヤー様が判断してくれるのです。
特にプレイヤー様の嗜好と製作者様の好みの難易度が合うゲームであれば、そのプレイヤー様はゲームのみならず、製作者様の強烈なファンになってくれるでしょう。
なので、難易度は製作者様の思い通りの難易度が最高なのです。
さりとて、自分を基準にすると怒っているゲームを作ってしまわないか。フリーゲームであっても一般向けに作りたい。
そうお考えの方もいらっしゃるでしょう。
では実際に、どのように難易度を決めていくのかを一緒に考えてみませんか?
まず絶対的に必要なのは「ふるいにかける」ことです。
一般向け難易度とは、どんなプレイヤー層を想定していらっしゃいますか?
対象年齢は? 性別は? グローバル展開は? 対象者のゲームに対する関心度合い、それまでのゲーム経験値はどの程度の方を……?
お答えは千差万別だと思います。
万人が100点満点で楽しめる難易度は、残念ながら存在しません。十人十色と云うように、人には好みがある為です。
全員に70点という設定は可能ではありますが、それこそ「高難易度」ではありませんか……。
そこで、まず簡単に考えてみませんか?
ごくごく一部の人に「100点」が貰える難易度を意識してみてはいかがでしょう。
テストプレイをしてくれる方、ご友人、ご家族、誰もいなければ「自分」が楽しめる難易度を想定します。
SRPGであれば、まっすぐ単騎で突撃してみてどうか。RPGであれば三連戦してみて、余裕が残っているかどうか、あるいは操作回数を数えてみましょう。
まずSRPGですが、まっすぐ単騎突撃でクリアできるのであれば、最低限「移動力限界まで操作ができる」プレイヤースキルがあれば、クリア可能と考えられます。(※これを簡単な難易度と安易に評することはできませんが)
次にRPGでは、三連戦してみて余裕が残っているかどうかをお尋ねしました。
連戦後に、続けて三連戦できるようであれば道中の敵としては合格をあげてもいいのではないかと思います。
そうそう、操作回数はいかがでしたか?
コマンドバトルの場合、三連戦合計でコマンド入力回数が25回以下であれば、サクサク進むという評価を与えていいと思います。
これらは実際に筆者が製作していた時に考慮していた内容ですので、それなりの実績を持ちます。迷われた時には、ひとつの指針にしていただければ執筆の甲斐がありました。
「え、でも簡単すぎるんじゃ……」
「いやいや、他の方法がある」
と思われた方、ぜひそのお考えを新人フリコンコラムへ寄稿されてください。
プレイヤー様がゲームを選べるように、製作者様も様々なコラムを選び、自分に必要な情報を取捨選択できるべきだと筆者は考えます。
「結局自分が考えた難易度に変わりはないのでは?」
そう考えられた方、お見事! 正鵠を射ております。
お悩みの製作者様、ご自身の設定された難易度に自信を持ってください。あなたの設定された難易度を好むプレイヤー様が必ずいらっしゃいます。
最後に、筆者も第6回新人フリーゲームコンテストに参加しております。周りの方々の素晴らしい作品群に圧倒されてばかりですが、本コラムにあるような難易度の考え方を含め、強い信念を持って製作し、自信のあるゲームに仕上がっております。
このコラムを書いた人物がどのような難易度を設定したのか、ぜひお確かめくださいませ。挑戦をお待ちしております。
※第6回新人フリーゲームコンテストページ
ens~ゲオルグ少年期・後期~
(https://freegame-contest.com/?p=6704)
(モノリノヒト Twitter)