完成した……! 苦節数年、コツコツ制作を続けたフリーゲームが完成した…! 頑張った、頑張ったよ……あたいやり遂げたよ……!
フリゲダウンロードサイトに投稿して、配信が開始された! ドキドキするね!
こだわり抜いたテキスト……感動的なストーリー……プレイした人には絶対楽しんでもらえる!、あっいや、おそらく、たぶん楽しんでもらえる!(弱気)
さーて、ダウンロード数はどれだけいったかなー?
(チラッ)
…………。
やだ……私のダウンロード数、低すぎ……?
フリーゲーム制作者の皆さん、「渾身の出来である自作ゲームのダウンロード数がいまいち伸びなかった」経験はありませんか?
ありますよね? あるって言ってよ! 私はあります! 一人にしないで!
えっ? 初投稿から10000ダウンロード達成してる?
かーっ! なんでそんな御仁がこんなコラム読んでるんでい!
あなたは10000ダウンロード達成に至った道のりをコラムにしてこのフリーゲームコラムコンテストに投稿するんですよ!
主に私のために! 正座でお待ちしております!
えっ? 「面白くても数字的には振るわない作品だってある」?
「10000のダウンロード数より1のプレイ感想」?
「記録に残らなくても誰かの記憶に残ればそれでいい」?
仰る通り、まったくもって仰る通りです。
ネットの海の片隅で淡く光る、広くは知られていないけど自分にとってドンピシャのゲームに出会えた時の喜びといったらルルルールルールー言葉にできない!
「面白かったです、〇〇君(キャラ名)が好きです」というプレイ感想は、さながら砂漠に降る雨の如し! 生きていける! あなたの一言で私は生きていける!
とはいえ!
人は数字に影響される生き物です(主語デカ構文)
遠くになりにし平成時代、大人たちが「子どもを偏差値という数字だけで評価するのは良くない、教育にゆとりを」なんて議論していた一方で、当の子どもたちはドラゴンボールのスカウター戦闘力という数字合戦に熱狂していたものです。
えっドラゴンボールを知らない? ごめんね、年寄りはすぐドラゴンボールで例えようとするね!
とにかく、ダウンロード数が伸びればやっぱり嬉しい。
嬉しくなれば次回作制作のモチベーションも上がる。
ので、ダウンロード数を伸ばすための方法をあれこれ考えてみようと思います!
(ここでは「パソコンでプレイする無料のゲーム」に限定して考えていきます)
人がフリゲをプレイするまでの行動の流れは、
①そのゲームの存在を知る
②そのゲームをダウンロードする
③そのゲームのプレイを開始する
の三段階に分解できるかと思います。
この三段階のうち、制作者の努力でまだどうにかなりそうな①②を考えていきます。
まずは①「知ってもらうためにはどうすればいいか」について考えましょう。
とにかくまずは自分のゲームの存在を知ってもらわないとどうにもなりません。
「ふりーむ!やノベルコレクション等のフリゲダウンロードサイトで作品を公開する」「可能なら複数サイトで公開する」のはたいていの人がやっているかと思います。
これらのサイトに作品を公開すれば、熱心なプレイヤーが新着作品をチェックしてくれます。
ただ、新着ゲームのトップに作品のサムネイルが鎮座できるのはいいとこ三、四日が限度です。あっという間に流されてしまう。
フリゲレビューサイトさんで高評価のレビューを書いてもらえたり、Twitterで口コミが広まったりすればロングスパンで宣伝効果が期待できますが、他人の行動に期待をして思い通りの結果にならないと病むので、ここではスルーします。あくまで自分の力でできる方法を考えます。
自分でできる方法、それは【宣伝をする】こと。
えっ? 「自分は宣伝するのが苦手?」
逆に問おう! ゲーム制作なぞを趣味にしている人間に宣伝が得意な人間がいると思いますか!(主語デカ構文)
基本的に誰もが宣伝は苦手! 苦手でもとりあえず無理せず細く長くやっていこう! 大丈夫、失敗してもダウンロード数が増えないことこそあれ減ることはないよ!
お金がかからない宣伝方法の王道は、「Twitterでの告知」です。フリーゲームをプレイする(+プレイする素因のある)人がTwitterを利用している率は、私の体感ですが決して低くありません。
そして、フリーゲーム界隈では「#スーパーゲ制デー」「#3連休だ俺のフリゲを遊んでくれ 」のような宣伝系ハッシュタグの使用も活発です。これを利用しない手はない!
宣伝は、繰り返す。単純接触効果を狙う。セルフリツイート上等です。宣伝は、繰り返す(大事なことなので二回言いました)
一回こっきりのツイートなんてタイムラインに流れてしまってなかなか目に留まる段階にすら届きません。
えっ? 頻繁に宣伝したらウザいって思われそう?
大丈夫! ぶっちゃけ、ほとんどの人は一月前に見た宣伝なんて覚えていません!
覚えていても、「後でダウンロードしよっかな」まで考えてそのまま忘れてるなんてこともザラ。
さすがに宣伝が一日三回Twitterのタイムラインに流れてきたらうるさいとは思いますが、月一や連休毎のハッシュタグは毎回参加するくらいの勢いでまったく問題ありません。
もし日本の祝日が月二で連休が生じるレベルで増えたときは、そのときに改めて宣伝頻度を考えましょう。日本にそんな時代が来るといいですね、ハハッ。
そうそう、最近は自作ゲームサークルが出店できるオンラインイベントもありますので、参加してみるのもいいと思います。
私もオンラインイベントがきっかけでプレイした作品プレイしてもらった作品がいくつもあります。
次に行きましょう。
②、「宣伝を見た人にダウンロードしてもらう」ためにはどうするか。
これには【宣伝の内容を練る】必要があります。
作品に興味を持ってもらいやすくする、興味を持った人がダウンロードするのに手間取らないようにするための工夫です。
作品に興味を持ってもらうのに一番手っ取り早いのは「美麗なグラフィックをつける」こと。これはフリゲ界で四半世紀変わらない現実です。
やっぱり、実際にプレイしてみないとわからない「シナリオの良さ」「ゲームシステムの面白さ」「音楽やボイスの作品とのマッチ具合」に比べ、一目でわかる「絵が綺麗」は圧倒的に強い。
綺麗な絵の一枚絵が作中に4枚あるなら、宣伝で2枚、なんなら3枚出しちゃってもいい。出せる強みは惜しまず出して行きましょう。
宣材が少ないフリゲ界隈において、「タイトル画面にキャラの絵をどんと出す」のも有効な戦術です。一枚でタイトルとメインキャラがわかりますからね。
えっ? 「美麗な絵なんて描けない、経済的に苦しい人にも外注しろと言うのか」?
あーいえ、無理に外注するのは個人的にはお勧めしません。
「私の世界を麗しいイラストで彩っていただきたい! 金なら出す!」とノリノリでイラスト発注をするのは楽しいことですが、「イラストが綺麗でないと……ダウンロード数増やさないと……」と無理して外注して数字が出なかったら、たいていの人は病むと思います。無理せずできることを考えましょう。
フリーゲーム界隈には、「キラキラのグラフィックでなくても面白そうならプレイする」熱いプレイヤーは一定数いるんです。
熱意ある彼ら彼女らに「面白そう」と思ってもらえるような宣伝ツイート内容を考えましょう。
ツイートには画像を4枚フルに添付するとして、基本のゲーム画面に1-2枚、一枚絵があれば1-2枚。
キャラ紹介やプレイ感想一覧の画像を作って使うのもいいと思います。
1ツイートに使える文字は140字。ダウンロード先のアドレスを載せると、実際に使える文字数はもっと少ない。
限られた文字数で「気になる」と思ってもらうにはどうするか。
おすすめは、作品の「属性」を打ち出すこと!
「追いかけっこありのホラーゲーム」
「救いがなくて胸糞悪いブロマンスノベルゲーム」
「限られたリソースをやりくりする探索ゲ―ム」
「気弱令嬢とツンデレ苦学帝大生の切ない大正乙女ゲーム」
みたいな、「どんなゲーム」か一言でわかるフレーズを書きましょう。上の例の一番最後のやつは私がプレイしたいので誰かつくってください。
先ほどドラゴンボールのスカウターの話をしましたが、ドラゴンボールの連載終了後、週刊少年ジャンプには戦闘力系バトル漫画以外に能力系バトル漫画が増えました。単純な強い弱いじゃない、能力の相性が問題になってくるあれですね。
相性が良い(好みの属性の)ゲームを探している人に、「旦那旦那こういうものありますよ」とわかりやすく作品の属性をアピールしましょう。
合わせて、想定プレイ時間も書いておくと喜ばれます。「今は気力がないから短編ならプレイしたい」みたいな需要があります。
忘れてました、ツイートに貼るリンクは、作品紹介ページのトップかダウンロードができるページにしてください。
たまにリンク先がサークルサイトのトップページで、作品のダウンロードページの場所がわからなくて断念することがあります。
こんなかんじですかね!
長々と書きましたが、「こんなの基本中の基本じゃん」と思った方もいるかもしれません。
他にもいい手法がありましたら、是非とも教えてください!
インターネットの集合知よ、オラに知識を分けてくれ!
えっ?
「散々高説を垂れてたけど、お前は実践できてるのか」?
……。
第4回新人フリーゲームコンテスト・60分以内作品佳作受賞!
大正日常系乙女ゲー(攻略対象はショタ1名・エピローグで成長します)、
「フサの大正女中ぐらし」公開中!
鬱展開もあるけど基本はほのぼの、ハッピーエンドです!
https://www.freem.ne.jp/win/game/27331
以上! 解散!
(式部 Twitter)