第10回新人フリコン結果発表:2/18(日)14:00!

ゲームを完成させるために「好き」を詰め込もう!

 

ゲームを完成させるためには「好きなものを詰め込む」ことが大切です!
より正確に言えば、「自分は何が好きなのか突き詰めてから詰め込む」ことが大切です!!

なぜこれが大事かと言うと、

①無理のないゲームの仕様決定に役立つ
②ゲーム作りのモチベーションが維持できる

という2つのメリットがあるからです。

「②はともかく①はむしろ逆じゃない?」と思う方、「そもそもゲームはどう作っていけばいいんだろう?」という方にこそ読んでほしい記事です。

ついでにゲームが完成した後のお話として、

③ゲームのアピールポイントに繋がる

もお話したいと思います。

【①無理のないゲームの仕様決定に役立つ】

フリーゲームを作る人ってゲームが大好きだと思います。
その中でも多くの場合は企業が作ったすごいゲームを遊んでゲームを好きになったのではないでしょうか?

でも個人や少人数ではそういったリッチなゲームは作れません。
単純に人手が足りませんからね。

ゲーム作りが頓挫するよくある例に「自分の好きなゲームを参考に作ろうとして作り切れなくなる」というものがあります。
作ろうと思った動機の1つだったりしますから、参考にするのは当然のことです。
むしろ、先行作品に学ぶことは必須と言っていいほど非常に良いことです。

ですが……。
その先行作品を構成するゲームシステムって、全部同じ割合で好きですか……?

例えばRPGが大好きだからRPGを作りたいとします。
市販されているRPGの多くにはフィールドの探索がありますよね。

あなたがフィールドを眺めるのが大好きだったり、キャラクターを移動させるのがとても楽しいと感じるなら、あなたが作るゲームにもフィールド探索を入れるべきでしょう。
でもそうじゃないなら……参考にするゲームの「好きな要素ランキング」を考えたときに上位に無いなら、あなたのゲームにはフィールド探索が無くても問題ないはずです。

フィールド探索が無いなら、
・そもそもフィールドを作らなくていい
・フィールド用の素材を探さなくていい
・歩行用のキャラグラフィックを用意しなくていい
・エンカウント用のイベントや敵シンボルを用意しなくていい
などなど、作るのが楽になります。

こんな感じで「自分が何が好きなのか」を突き詰めて詰め込んでいくだけで仕様を削っていくことができるのです!

アイテムを使うのは好きですか?
ショップで装備を整えるのは好きですか?

好きなら実装しましょう! そうでもないなら削ってみましょう。
定番だからというだけで仕様にせずに、一度自分の好きを見つめ直してください。
そうすればきっと無理のない仕様が見えてくるはずです。

ちなみにですが、上で例としてあげたフィールド探索が無いRPGをノンフィールドRPGといいます。
(前進と後退のみがあるRPGと定義しているサイトもありますが、この場では前進と後退も無いRPGを含みます)
市販のコンシューマーゲームではあまり見かけませんが、スマートフォン向けのRPGではむしろこちらが多かったりします。

【②ゲーム作りのモチベーションが維持できる】

ゲーム作り初心者向けのアドバイスとして
「いきなり大作を作ろうとしても挫折するから、裏山に薬草を取りに行くだけの短編RPGを最初は作るといい」
みたいな話を聞いたことがないでしょうか。

あなたは「裏山に薬草を取りに行くだけの短編RPG」が大好きですか?
大好きなら問題ありません。
あなたの「好き」が詰め込まれた、とても良い短編RPGが完成するはずです。

でもそうじゃないなら……おそらく完成しません。
短編とはいえ、ゲームを作るためには時間がたくさん必要です。

好きなゲームは数十時間や数百時間も遊べたりしますよね。
場合によってはプレイ時間が数千時間に達したりするかもしれません。

けれどあまり好みではないゲームは1時間も経たないうちに止めてしまうことすらあるのではないでしょうか。

ゲームを作るのも同じです!
作っているゲームが「好き」か「そうでもない」かは非常に重要なんです!

私は自分のゲームを約3年かけて完成させました(たぶん作業時間は2000時間くらい)が、「裏山に薬草を取りに行くだけの短編RPG」は作れないです。
簡単そうに見えても、そのジャンルが好きじゃないと完成は難しいです。

作るのにかかる総時間も大切ですが、続けられるかどうかはもっと大切です!
続けられるならいつかは完成します。

【③.ゲームのアピールポイントに繋がる】

ゲームが完成した後のお話です。

フリーゲームは作って終わりではありません。
無料で遊べるように公開してあるからフリーゲームなんです。

多くの人に遊んでもらうためにはゲームの紹介ページにアピールポイントを書かなければなりません。
何がこのゲームの売りなのか伝える必要がありますからね。

でも何も心配ありません。
あなたの「好き」が詰め込まれたゲームなのですから、その「好き」を伝えるだけでいいのです!
「好き」の組み合わせこそが個性であり、アピールポイントになっています。

世の中にはたくさんの人がいるので、人数の多寡はあれども、世界であなたしかその要素を好きじゃないなんてことはありえません。
仮にそうだとしたら、日本には1億以上の人がいるので1億分の1以下の特殊性癖ってことになりますからね。

あなたがあなたの「好き」をゲームに実装した以上、そのゲームには誰かに伝わるような「好き」や「楽しい」が間違いなく含まれています。

公開前に「これって本当に面白いか……?」と不安になったとしても、面白いと感じた瞬間は必ずあったはずです。
その瞬間の自分を信じてあげてください。
テストプレイのしすぎて感覚が麻痺してるだけなので、過去の自分の方が正しいです。

安心してあなたが詰め込んだ「好き」をアピールしながらゲームを公開してくださいね。


ここまで読んでいただいてありがとうございました!
あなたのゲームが完成することを願っています。

ちなみに、私の「好き」をこれでもかと詰め込んだフリーゲームが公開中です!
ぜひ遊んでみてください!

北欧神話×クトゥルフ神話の現代ファンタジーRPG『戦乙女《レギンレイヴ》の終末論』
https://www.freem.ne.jp/win/game/25126

 

(紫苑もみじ Twitter